ちょっぺこ日記

日々雑感や本の感想などを綴ります。

「かがみの孤城」辻村深月

 久しぶりに読書して泣きました。

 今回、読了したのはこの本です。辻村深月さんの『かがみの孤城』。何かで気になって、図書館で大分前に予約していたのですが、2か月ほど待ち、貸出可能になったので、借りてきました。

 

かがみの孤城

かがみの孤城

 

 

不登校の少女・こころ。光りだした部屋の鏡を抜けるとそこには…

 主人公は安西こころ。中学1年生の女の子です。こころは、クラスメートの真田美織という子からいじめを受けて、春先から不登校になっています。(こころ自身は、美織からされた仕打ちを「いじめ」というよりも、「名前がつけられない、”何か”だった」と表現していますが……。

 自分の部屋に閉じこもっていたこころの部屋には大きな姿見があり、ある日、突然、その鏡が光り出します。そして、その鏡を抜けると、そこには大きなお城と狼のお面をかぶった女の子がいました。女の子は、この城にある願いが叶う部屋の鍵を探せと言います。どんな願いも一つだけ叶うというのです。そして、この城は3月30日まで開いていると(こころが初めて城に行ったのは5月)。

 そして、この城に集められたのは、こころだけではありませんでした。他に6人。アキ、スバル、こころ、リオン、マサムネ、フウカ、ウレシノという全部で7人の中学生がいたのです。共通しているのは、日中、学校に行っていないということ? 

 少年、少女達、それぞれに悩みがあり、事情があり、やがてこころは彼らに友情を感じるように…。

 季節は流れて、お城が終わる3月なり、ラストは……。泣けました。うう。謎が解けて、紡がれた友情や希望にうるうる泣けてしまいました。

 

学校になじめないこころ達の言葉に共感^^;

 城に集められた子達の感覚に、何か共感できるなぁって部分が多かったです。

 

「自分は、みんなと同じになれない――、いつ、どうしてそうなったかわかんないけど、失敗した子みたいに思えてたから。だから、みんなが普通の子にするみたいに友達になってくれて、すごく嬉しかった」

 その声に、こころは息を呑む。この場のほとんどみんながそうなったのがわかった。

 ”普通になれない”はずっとこころが思ってきたことだった。

 学校に通っている他のみんなみたいにうまくできなくて、同じになれないことに気づいて、だから絶望していたし、苦しかった。

 

 この感覚って、自分には身に覚えがあります^^;。「普通」が何なのかはわからないけれども、学校で、なんか自分が浮いているな…普通じゃないなと感じることがあったので。

 私は不登校にはならなかったけれども、こころが学校で感じているようなこと、いじめられて苦しかった気持ちなどは、共感を持って、読むことができました。作者の表現がうまいからかな。説明ではなく、感情をうまくすくっている感じがしました。

 

こころ達は出会えるのか? ミステリ(謎)とファンタジーが混じった作品

 鏡が光ってお城へ…といかにもファンタジー小説だなと思いましたが、読んでいくと、これはミステリ小説でもあるのだなと思いました。明らかにされていない謎が最初からあるので、ああ、どういうことなんだろう? どうなるのかな?とドキドキしながら、読み進めました。

 途中で「喜多嶋先生」とのある場面で、謎は概ね予想できましたが、それでも、それがどう回収されるのか気になって気になって、夢中で読みました。その謎そのものも気になるし、こころ達がどうなるのか? 結局、学校には行けるのか? これからどうするのか?というのが気になりました。

 終盤になるにつれて、こころ以外の皆のことも気になり…。そして、全ての謎が回収されたラスト。本当に感動しました。

 

孤独な少女が壁を乗り越える作品に弱い^^;

 この「かがみの孤城」もそうですが、悩みを抱えていたり、孤独を感じている少女が、最終的に壁を乗り越えていく作品に私は弱いのかもしれません^^;。泣いちゃう。

 補足ですが、これまで読んだ中で似たような系統の本を紹介しておきます。私は泣いちゃいました(涙もろい)。

 

西の魔女が死んだ (新潮文庫)

西の魔女が死んだ (新潮文庫)

 
裏庭 (新潮文庫)

裏庭 (新潮文庫)

 

  梨木香歩さんの作品です。「裏庭」はちょっと長いのと、ファンタジーなので、好みがあるかも。「西の魔女・・・」の方は短いし、舞台は現実なので、さくっと読めると思います。同じく学校に行けなくなっちゃった女の子の話。

 

 

童話物語〈上〉大きなお話の始まり (幻冬舎文庫)

童話物語〈上〉大きなお話の始まり (幻冬舎文庫)

 

  「童話物語」はファンタジー世界の物語。貧しいペチカという少女が妖精のフィッツに出会い…。フィッツは、この世界が滅ぶべきかどうか、最初に出会った人間で判断することになっていて…。「誰だって自分が思っているよりすごい人間だよ」。

 これは完全にファンタジーで、不登校とか学校とかは全く関係ないんですけど、でも、孤独な少女が変化していくという点では一緒かなと。感動して泣けるという点でも。

 

 

新訳 思い出のマーニー (角川文庫)

新訳 思い出のマーニー (角川文庫)

 

  これは、ジブリ映画でアニメ化されていた「思い出のマーニー」の原作。舞台や登場人物は外国の人なんだけど、基本は、世の中にうまくなじめない孤独な女の子が、ある夏の出来事を通して、変化するというもの。これも、じわわと泣けました。ラストの謎解きで。