先週、図書館で何気なく目に留まり、借りてきた本。
漫画家の西原理恵子氏が、お金についてあれこれ書いている。
赤裸々に幼少期から現在までの人生を語り、貧しさの中で育ったからこそ、シビアにリアルに金がないということがどういうことか、自分の力で稼ぐことがいかに重要かということをガツンッ!と主張なさっている。
ちなみにこの西原氏の人生、かなりハードである。え、これ、事実なのか?というくらいに。
美大の受験日に父親が自殺、それでも上京、在学中から仕事を探し、何とかプロに。その後、出会った戦場カメラマンと結婚、世界各地の貧困の現場を実際に見て回る。しかし、夫がアル中で暴力をふるうように…。その後、アル中を治療し、やっと平穏に家族で暮らせると思っていたら、夫は病気で死去…。
なんて、波乱万丈な人生なんだろう! でも、そういう人生を歩んできた人のお金に対する考えは、ああ、これが現実、リアルなのかもしれないなぁと説得力がある^^;。
人の気持ちと人のカネだけは、アテにするな!
「合コンでは男子におごられてあたりまえ」という延長に「左うちわな将来」を思い描いているんだとしたら「いざ(旦那が)失業」「いざ離婚」ってなったときに、あなたはどうやって生きていくんだろう。
逃げちゃってもかまわない、ってわたしは言った。働いていても充実感がない、思うような仕事もできないとなると、そういう目の前の現実から逃れるために、女の人が結婚を「避難場所」にすることは、よくあることだと思う。でも、もはや「結婚」が「避難場所」として成立しなくなっているのも、もうひとつの現実だよね。
何より、人の気持ちとカネをあてにするっていうのはさ、「自分なりの次の一手」を打ちつづけることをみずから手放してしまうってことなんだよ。「わたしの人生、それで本当に楽しいものになるのかな」ってことを、女の子にはぜひ考えてみてほしい。
これは、確かにその通りだと思う。
…いえ、私自身は、しょっちゅう「ああ、仕事辞めたい…」「いつ私を専業主婦にしてくれるの?(笑)」と夫にぼやきまくっている人間なので、あまり説得力はないのだけれど、女性でも一人で生きていける稼ぎを得ることの重要性はひしひしと感じている。
もともと、私が住む県は共働き率全国1位で、専業主婦という人が少ない。働かずにいると「あら、何かご病気?」「どうして働かないの?」と言われちゃうようなお土地柄である(それもそれでデリカシーがないとは思うのだが)。
自分の母親も、手に職を持っており、一家の大黒柱として我が実家を養ってきた(父親よりも収入が多かった)。その母からは、女の子でも安定した職業について、ひとりで生きていけるようになりなさいと、それが当然という感じで言われてきたものだから、そうなりたいかどうかは別として、当然、そうすべきだと考えてきた。
結婚するかどうかは別としても、女性でも稼ぐ力はないよりはある方が、自分自身のためになるのかな…と思ったりする。
思うんだけど、仕事辞めたい…とも思うわけで……中途半端です。
疲れたなぁ、辞めたいなぁ→給料日→やっぱり頑張ろう→ふりだしに戻るのエンドレスループ(^_^;)。
そして、夫に「宝くじにあたったら、仕事辞めるから」と宣言しても、「え、俺が辞めるし」と言われて、……確かに、辞めるのが女性って決まりはない……夫が辞めて私が働くという選択肢もある、それが男女平等といえばそう…いやいや、しかし…。
本の感想から脱線したが、お金と仕事を考えると、私の脳内はグルグル負のエンドレスループに突入する。
それは、仕事に対して、やりがいや愛着が不足しているからなのかもしれない。
自分が稼いだこの「カネ」は、誰かに喜んでもらえたことの報酬なんだ。
西原氏はこう書いているが、そう、この感覚が乏しいと仕事から逃げてしまいたくなる。
誰かに喜んでもらいたい、誰かの役に立ちたい、…そんな気持ちで仕事をして、稼いでいけたらなぁとは思う。
…よし、午後からは一つ一つの作業を丁寧に、真剣に取り組んでみよう!
- 作者: 西原 理恵子
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