昨日、紹介した『ファクトフルネス』ですが、読んでいて、個人的に目から鱗だったのが少子化に対する筆者の見方です。
おや?そうなんだー、スウェーデンの人から見たら(いや、ファクトフルネス的に物事を見たら)、こんな捉え方もできるのかと面白かったので、メモしておきます。
女子教育を例にとろう。女性に教育の機会を与えることは、人類史上、最もすばらしいアイデアのひとつだ。女性が教育を受けると、良いことが連鎖的に起きる。職場に多様性が生まれ、意思決定の質も上がり、より多くの問題を解決できるようになる。教育を受けた母親が増えると子供の数も減り、子供ひとりあたりの教育投資が増える。女子教育が、社会を変える好循環を生むのだ。
ここでの子供の数が減る→好循環という発想が意外でした。日本では少子化がネガティブに捉えられがちだけど、世界規模で見ると子供の数が増える方が問題なようです。
アフリカなどの低所得の国々を支援してはいけない、豊かになったらもっと子どもを生んでしまい、世界の人口が増えすぎてしまうじゃないか⁈と怖れる人に対して、筆者は逆だと主張します。
貧しいから、大人になる前に死んでしまう子どもが多いから、たくさん生んでおこうとなるのだと。また、避妊の知識がなかったり、女性が教育を受けられない結果が多産なのだと。
確かにアフリカなどの国ではそうかもしれませんね。
だから、国が豊かになり、女性が教育を受ける機会が増えれば、寧ろ子供の数は減るのですよと。実際、データを見れば、所得と出生率は反比例しているよとな。(世界の国ごとのデータという大きな統計では。日本国内のデータではどうなのかな…所得と出生率って統計あるんかな)。
なので、人口爆発を不安に思う必要はない、寧ろ、低所得国が豊かになるようにした方が、人口増加はとめられるんですよ、と。
この部分を読んだとき、私は、おや、面白いなぁと思ったわけです。
日本や経済的に豊かな国では少子化が進むが、それはある意味、社会がよくなった豊かになった結果なのか……と。
ま、日本の場合は、少子化というより高齢化とセットなのが問題なのかな。支える層と支えられる層のアンバランスが問題なのかと……。少子化そのものは、正直、良いのか悪いのかようわかりません。(世界的に人口が増え続けたら、人類が滅ぶのは事実かもしれないが……でも、日本という国にいる以上、あんまり世界規模での課題は身近に思えない……)。
さて、まあ、ちょっと面白い視点だなぁと感じたことを書きました。