先日、職場の若い男性(といっても三十代前半)がパソコン操作が苦手な年配女性のことについて話しているのが聞こえた。
「〇〇さん、すぐにパソコン苦手だから、教えてとか手伝ってとかって言うけど、パソコンなんて誰でも使えるんだから、苦手っていうのはただの努力不足なんだよ!」
と、彼は少しイライラしながら同僚に話していた。確かに〇〇さんはパソコン操作が得意ではなく、エクセルやワードの基本的な使い方についてよく質問してきたり、代わりにやってほしいと頼んできたりすることも多い。忙しいときにお願いされると、内心、イラっとしてしまうことは私もある。
しかし、冒頭の会話を聞いていて、「何もそこまで言わなくてもいいのになぁ・・・」と何故かもやもやした気持ちが生じて、この気持ちは一体何なのだろうと少しひっかかっていた。
パソコン操作が苦手なのは単に努力が足りないせいなのか?
私達の世代、つまり三十代半ばから後半くらいは、そうしたIT機器を使うことはある程度はできる世代なのかなと思う。けれども、渦中の〇〇さんや、例えば私の親世代(50~60歳代)の方は、そもそも若い頃にはまだアナログ世代であり、パソコンに触れたことすらなかったのではないかな。会社の書類もパソコンで作成するようになったのは、実はほんの15年くらい前だと聞いている。それまでは手書きだったらしい。
そうした世代の人々と自分らの世代とを同じ土台に並べて、評価を下すということは、ちょっとフェアじゃない気がするんだけどなぁ。勿論、上の世代の方でも努力してパソコン操作を難なく行っている人たちもたくさんいるし、「努力不足」という点もあるのも事実なのだろう。でも、同時に世代間の格差、受けてきた教育の違い、文化の違いというも大きいのだと思う。
私がひっかかっていたもやもやは、そうした背景への気遣いがまるで感じられないことに対する違和感だったのかな…とブログを書きながら思う。
ちなみに、ITに関する世代間のギャップといえば、「フリック入力」である。
フリック入力というのは、スマホの画面上で指を上下左右に滑らせ50音を入力する方法のことである(下の写真みたいなやつ)。ガラケー時代は、「あ」を3回連打して「う」と表示させる「トグル入力」が一般的だったから、この「フリック入力」というのが鬼門である(私だけ?)。フリック入力の方が速いとは頭でわかっているのだが、ついつい慣れた方法で文字入力をしている。
きっと、生まれながらのスマホ世代が増えた頃には、「スマホでフリック入力ができないなんて、努力が足りないだけだよ!」なんて言われるのかなぁとちょっと想像してみるのである^^;。