ちょっぺこ日記

日々雑感や本の感想、息子の不登校のこと、自分の病気のこと(癌やパニック障害とか)等をつぶやいています。

読書中の本「イノベーション・オブ・ライフ」

 現在、読書中の本がこれ、「イノベーション・オブ・ライフ」です。ガンに似た病におかされながらも、教壇に立ったハーバートビジネススクールのクリステンセン教授の最終講義をまとめた本です。仕事(キャリア)、家族等についてどう向き合えばいいのかについて書かれています。

 同窓会に出席した筆者が、昔の同級生を見て、幸せになっている人もいれば、不幸せになっている人もいる、報酬の高い仕事についていて幸せそうだったはずなのに、離婚を繰り返したり、犯罪を犯してしまった人もいる…この違いはどこから生まれたのだろう、どうすれば私たちは幸せになれるのだろうと真剣に考えています。

 

 わたしはどうすれば次のことが確実にできるだろう?

 

・どうすれば幸せで成功するキャリアを歩めるだろう?

・どうすれば伴侶や家族、親族、親しい友人たちとの関係を、ゆるぎない幸せのよりどころにできるだろう?

・どうすれば誠実な人生を送り、罪人にならずにいられるだろう?

 

 まだ最初のキャリアの章しか読んでいないのですが、なるほど~と頷いてしまう話が多かったです。ビジネススクールの教授であり、元は経営者でもあった筆者なので、仕事や事業についていかに戦略を立てるべきかといったビジネスの話も豊富に挿入されているのですが、キャリアとプライベートを切り離さず考えている点に共感できました。

 

 また、仕事を選ぶ際には報酬や条件、労働環境等といった「衛生要因」だけで選ぶと失敗するよと言っています。それも大事だけれども、やりがいのある仕事、愛着が持てる仕事といった「動機づけ要因」も重要になりますよと。自分が好きな仕事をして、朝起きたときに今日もがんばるぞーと思える人生と、安定はしているのだけど好きではない仕事をして今日も憂鬱だなぁと思う人生とでは、その後の人生の幸せ度合いが違うというのです。

 

 これは、確かにそうだなと思いました。私自身、仕事を収入、安定、福利厚生といったことで選び、最初はそれでよかったと思っていましたが、好きな仕事か?自分にとってやりがいのある仕事か?と自問すると、NOです。この本でいうところの「衛生要因」でのみ仕事を選んでしまったということですね。

 でも、転職するとか辞めるという舵を切る勇気もないのです。そのことについては、この本でも書いてあって、今は収入のためにこの仕事をしている、でもいつかは好きなことをやるつもりだという人の多くが、結局、今の仕事を辞められずに、ずるずるとその後の人生を送るというのです。ううう。

 

 だがほどなくしてわたしは何人かの友人に、仕事が嫌になってきたと打ち明けられた。間違った理由で仕事を選んだことに気づいたのだ。おまけに彼らは身動きがとれなかった。給料に見合った贅沢なライフスタイルを送っていた家族にとって、もとの暮らしに戻るのは並大抵のことではなかった。真の動機づけ要因ではなく、衛生要因につられて仕事を選んだ結果、罠から抜け出せなくなったのだ。

 

 そういうことは多いですね。今の仕事を辞めて、冒険するのはかなり勇気がいることです。うまくいく保証もないのですから…。

 けれど、この本の筆者自身は今の教授という仕事が天職だと思っているが、自分も最初からこの仕事についていたわけではなかったといいます。これという仕事を見つけるためには「創発的戦略」と「意図的戦略」が必要だと言います。前者が予期されない機会を追求し、予期されない問題を解決していくときの戦略、後者が予期されることを解決していく戦略とのこと(抽象的でうまく説明できないのですが、この本の中にはいくつか具体例が挙がっています)。

 

 創発的戦略と意図的戦略の概念を理解すれば、自分のキャリアでこれという仕事がまだ見つかっていない状況で、人生の向かう先がはっきり見えるようになるのをただ漫然と待っているのは、時間の無駄だとわかる。いやそれどころか、予期されない機会に心を閉ざしてしまうおそれがある。自分のキャリアについてまだ考えがまとまらないうちは、人生の窓を開け放しておこう。状況に応じて、さまざまな機会を試し、方向転換し、戦略を調整し続ければ、いつか衛生要因を満たすとともに動機づけ要因を与えてくれる仕事が見つかるはずだ。このときようやく、意図的戦略が意味をもってくる。これという仕事が見つかれば、ピンと来るものだ。

 難しいかもしれないが、このプロセスでは自分に正直になろう。自分を変えることは難しいものだし、いましていることをそのまま続けるほうが簡単な気がする。だがこの考え方は危険だ。問題に向き合うのを先延ばしにしていると、何年も経ったある朝、鏡のなかの自分を見て、こう思うことになる。「わたしはいったい何をしているんだろう?」

 

 何だか耳が痛いです。もう三十代後半、キャリアを積んで仕事に対してしっかりした意見を持つべき年代にもかかわらず、私は相変わらずもやもやした状態で仕事をしているのです。本当に「わたしはいったい何をしているんだろう?」という状態です。

 とはいえ、いきなり転職するぞ、辞めてやる!とはいきません。現実問題、養うべき家族がいますし、女性が男性と同等の収入を得る職業は限られているとも思うからです。

 だから、別にこの本を読んで転職してみようとは思わないですが、でも、仕事って何だろう?キャリアって何だろう?どういう風に仕事をしていけばいいのだろう、何か変えることはできるだろうか、動機づけができない原因は何だろうか?と考えることはできるはずだと思い、その足掛かりとしてこの本を読んでみたいと思います。

 

 

イノベーション・オブ・ライフ ハーバード・ビジネススクールを巣立つ君たちへ

イノベーション・オブ・ライフ ハーバード・ビジネススクールを巣立つ君たちへ

  • 作者: クレイトン・M・クリステンセン,ジェームズ・アルワース,カレン・ディロン,櫻井祐子
  • 出版社/メーカー: 翔泳社
  • 発売日: 2012/12/07
  • メディア: 単行本
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