ちょっぺこ日記

日々雑感や本の感想などを綴ります。

「緑の庭で寝ころんで」宮下奈都

 福井新聞という地方新聞があるのですが、新聞の月刊情報誌「fu」という冊子のなかで、連載されていた宮下さんのエッセイ4年分を完全収録した作品。

 「fu」は毎月、読んでいたのですけれども、一冊の本になったということで、読んでみました。宮下家の3人の子どもたちのことが中心の「fu」のエッセイだけでなく、読書日記、本屋大賞の受賞について、北海道のトムラウシでの暮らしのことを書いたエッセイも入ってました。

 

 宮下さんのものの見方が柔らかくて好きです。「小さなこと、大きなこと」というエッセイでは、

 

小さなことと、大きなこと。どちらか大切で、どちらが尊いか、くらべる必要はないのです。ひとりの人間の中に変化が生まれる。それは、小さなことでしょうか。

 

 ということが書いてあり、そうだなぁと頷いてしまいました。小説でも、現実でも、ついつい大きな事件や大きな出来事があると、そっちの方に目が向いてしまいますが、そうではなく、ありふれた日常の中にある小さなこと、人間の内面に生じた変化など、自分の感性のアンテナにひっかかるものを大切していけたらいいなと思いました。

 

 あとは、個人的に地元ネタが面白かったです。あ、これはあの高校の図書館ね、とか、あの場所のことか…と実際に知っている場所が、エッセイの中に描かれているのって、何だかハッとします。何気なく通り過ぎてしまう風景。もっとしっかり見つめたい。

 

緑の庭で寝ころんで

緑の庭で寝ころんで