大河ドラマ「光る君へ」にはまったので、図書館で関連の本を数冊借りてきた。
早速、冲方丁『月と日の后』を読了。
主人公は中宮・彰子。「光る君へ」の主人公・紫式部がお仕えした中宮であり、道長と倫子の娘である。
彰子が12歳で一条天皇の入内してから没するまでの歴史が描かれていた。ほぼ、史実を彰子視点で描いたほぼ地の文の文章で、読みにくいかなぁと思ったのが、歴史上の出来事がどうなるのかが気になってさくっと読めました。
彰子の視点で見ると、あ、そうか。入内したばかりの少女には、一体、内裏では何が起こっているのか、父親の道長らがやっている政治って何なのか、定子って誰?って感じでわからないことだらけだったんだなぁと気付いた。
つい歴史を知っていると、知ってる前提で物語やその舞台を見てしまうのだけど、一登場人物の彰子からしたら、わからないことだらけで心細くなるのも無理からぬことだと思った。
しかし、一条天皇への想いにより、自ら様々なことを学び、何も知らない少女からやがて国母として政治の采配もするようになる彰子という女性の成長に目を瞠るものがある。彰子って結構、すごい女性なんじゃ?と思った。
清少納言が使えた定子も教養溢れる女性で、一条天皇の寵愛を一身に受け、御子を3人も生んでいるのだけど、兄・伊周の失脚から、家の凋落と…なかなかに苦労したのだろうと思う。そして、若くしてお亡くなりになってしまったから、もう死んでしまってはどうにもならない。
対照的に彰子は長生きだったようで…生きていれば、色々な歴史にも立ち合っていくものだなぁと思う。
(それにしても平安時代は人が、儚く死んでいく…。長生きな人は80や90まで生きているけど、早い人は30代であっけなく亡くなっていて、現代とは命のとらえ方が違うのだろうなぁ…。怨みによって不幸が起こるということも、本気で信じていた時代なのですね)