最近、自分の体調や、息子の状況、仕事に復帰したらどうなるのかなどなど、色々な不安が頭の中をぐるぐるしてしまい、身が竦んでしまう感じがしていました。
意味もなくネットサーフィンをしていたときに、ふと目に留まった本。興味があったので、読んでみました。
「不安さえなければ人生はうまくいく」と考えて不安をなくそうとすることで、逆に、人生をストップさせてしまうわけです。
行動の幅を広げてみましょう。
まずやってみて、それからどうだったかを考えるのです。
「まあ、仕方がない。そういうこともあるよね」と、過去の失敗と将来の不安を抱えたまま、とにかく止まらずに動き続けるようにします。
カバーに書いてあった言葉。不安症のことを勉強していると、よく出てくる概念です。不安のまま行動しなさいと。
息子の主治医の先生も、息子の不安が辛い気持ちをどうしたらいいかという点で、「不安をなくそうとしない。不安を認めたうえで、脇に置いて、やるべきことをやりなさい」といつもおっしゃっています。
認知行動療法やパニック障害の暴露療法など、これまで自分自身の不安障害と向き合う上で、いろんな本を読んできましたが、確かにどの本でもそう言っています。
しかし! それができれば苦労しないのよ!とも思います(笑)。
高所恐怖症の人に、バンジージャンプさせるようなものですからね。いきなり無理だっての。
……と、「無理」と思いながらも、とりあえず本を読んでみました。
目次はこんな感じです
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不安とは…
不安になること自体は悪いことではなく、ポジティブな感情と同じように人の原動力やモチベーションになりえるのですが、生活に支障が出ているのなら心の病気といえます。
不安になりやすい体質
不安になりやすい体質というのがあり、これは「先天的にも後天的にも高くなること」があるそうです。
もともと怖がりだった人が、怖くなる対象をすべて遠ざけていたら、ちょっとした刺激にも「怖い!」という反応が出るようになります。p38
自分の場合はどうなんだろう。もともと怖がりや心配性だった気もしますし(先天的)、チャレンジをしなくなったり、嫌なことから逃げてしまったりしたことで、余計に「怖い…」となってしまったような気もします。うーん。
不安症とうつ病の違い
不安と抑うつは異なる状態です。そのため治療法もまた異なります。p42
↑これは何となくわかります。不安から二次的にうつ病になることもあるので、これらが全く無関係だとは思いませんが、不安とうつは違うし、対処方法も違う。そういう話は、病院でも聞いたし、本にも書いてありますよね。
うつ病は、ストレスの原因から離れて休養することが大事だけど、不安はあえて不安に飛び込むといった行動が必要だっていう話なのですが…(だから、それができれば苦労しないんだけど^^;)。
不安があっても前に進むためにはどうしたらいいのだろう?
まあ、こんな感じで、不安について客観的に説明してくれているのですが(ちゃんと本の内容をまとめようと思ったのですが、すっ飛ばしてしまいました…^^;)、読んでいて私自身が気になった箇所や実践してみたいなぁと思うところをピックアップしてみました。
「不安にならない」という目標は間違い。
いつも「ああなったらどうしよう」「仕事で体調不良になったら…」「息子が将来、引きこもりになったら…」「電車で具合が悪くなったら…」等と不安に支配されることが多く、「この不安をなくしたい!」と強く願ってしまいます。
でも、「不安にならない」というのも目標にしても、結局、そのためにどうしたらいいのかわからなくて、余計に不安がぐるぐるしちゃうことが多いです。
(「〇〇を思い浮かべてはいけませんよ」と言われたら、余計に〇〇について考えちゃうような感じ)。
「不安にならない」とか「イライラしない」とか「落ち込まない」とか「あれこれ考えない」とか、死人でもできる「しない」ということを目標にすると、そのために何をしたらよいのかがわからなくなってしまいます。
(中略)
そこで、目標は「××しない」を「〇〇する」というように肯定文にしてみましょう。
なるほど~。
不安にならないようにしようと考えるのではなく、例えば、動悸がしてきたら、「ゆっくり呼吸をしてみよう」とか「数を数えてみよう」とか「~する」で対処法を考えるといいのかな。会議で発表するときに緊張したら、「緊張よなくなれ」と思うのではなく、「1分間に400字のペースで話そう」「この箇所を丁寧に説明しよう」という風に考えたり?
(とはいえ、本当に不安の絶頂のときには、難しいとは思います。でも、なくなれなくなれ…と考えて、余計にドツボにはまるよりはマシ!)
セルフモニタリング←これは試してみたいな
・1日の気分の点数を、朝ー20点、昼0点、夜20点と記録する。
・1日の活動(睡眠、食事、外出等)を記録する。
・何があったのか、何を感じたのかを記録する。
バーチカル手帳に1日の様子を詳しく記入するようなものですかね。気分に点数をつけることで、朝は憂鬱だけど、夜には元気になっているんだなぁとか、このイベントがある前は体調を崩しやすいのだなぁとか自分の傾向がつかめるようになるとのこと。自分がいつ不安になるか、きっかけは何か等がわかれば、対策を立てることもできる。
「記録することは治療の基本中の基本」で有益らしいので、この方法は試してみたいなぁと思いました。(三日坊主になりそう?)。
あえて嫌なことをしよう(エクスポージャー)
これはパニック障害の治療でもよく言われているやつですね。電車に乗って倒れそうになり、電車に乗ることが怖くなってしまったという場合、電車を避けていたのではいつまでもよくなりません。少しずつ電車に乗る練習をして、パニック発作自体に慣れて行こうというもの……。
わかっちゃいるが、これを一人でやるのは無茶苦茶ハードルが高いと思いました。
筋トレ…だと思って、少しのことから試したいとは思いますが…。
エクスポージャーは不安や恐怖に耐えられる筋力をつける筋トレなのです。
場数をこなす(苦手なことをやりまくる)
苦手な場面に慣れるためには、苦手なことをやりまくろう…ということですね。エクスポージャーと同じですね。
確かに場数をこなすしかないと思うこともあります。
自分の場合だと、就職して最初の所属が、とにかく人前で話す仕事がたくさんありました。もともと、そうしたことが非常に苦手でしたので、本当に苦痛。最初は、緊張して、何を話しているのかわからなくなったり、挨拶文やメモを用意して読み上げるだけということも…。
でも、1年以上続けたら、不思議なことに、その場でスラスラ挨拶できるようになりました。苦手意識は変わりませんし、やりたくはないですが、慣れというのは確かにあるのかもしれません。
不安になりやすい息子への接し方の参考にしよう
「問題行動によって本人は何を得ているのか」
第6章のテーマは「不安を訴える本人に対して、家族はどう関わるとよいのか?」ということでした。
例として、「もしかしたら病気かも」と何度も訴える70代の母親を持つ子どもの事例があがっていました。
高齢の母は、「病気かもしれない」と頻繁に子どもに連絡をしてくる。子どもは仕事をしているので、仕事中に何度も電話がかかってきて困っているのとこと。
そうしたケースでは、どう対応したらいいのでしょうか?
肝心なことは本人を変えるのではなく、自分が変わることです。
(Ⅰ)が現状です。お母さんは孤独を感じている→家族に通院に付き添うように要求→家族が注目、おしゃべりという良い結果を得ている。
そこで、「〇〇のときに」という先行条件を家族の方が変えます(お母さんを変えることはできないので)。
(Ⅱ)定期的に家族が訪問する→家族に通院に付き添うように要求→訪問日でないときに付き添いを要求しても、子どもは注目しない。元々定期的に訪問していた日がキャンセルされてしまうという悪い結果になってしまう。
そうするとお母さんは、付き添いの要求という行動をしたことで、悪い結果を得てしまうので、その行動を減らすように変わっていきます(弱化)。
という考えなのですが、これ、私が今、受講しているペアレントトレーニングでも同じことを習いました!
例えば、子どもがスーパーでお菓子を買ってと泣く→泣かれると困るから親はお菓子を買ってあげる→子どもは泣けばお菓子が手に入ると学習してしまう。でも、例えば、泣いても、その行動を「無視」し(注目を与えずに)お菓子を買ってあげないとする。子どもは諦める→すかさず、親は「我慢できてえらかったね!」と誉めてあげる。
そうすると、子どもは泣いても親は自分に注目してくれないことを学習し、徐々に「スーパーで泣きわめく」という好ましくない行動が減っていくというもの。
家族の過干渉が不安症状を悪化させる?
家族がやりがちな謝った対応として、親子間での過干渉があるそうです(う、耳が痛い)。
不安になりやすい傾向は親から子に遺伝します。
子どもが不安になるときは親も不安になりますし、その逆もしかりです。
不安の気質が遺伝かどうかはわかりませんが(先天的なものもあるし、後天的なものもあると思うので)、確かに親の私が不安になっていると子どもの不安げです。そして、子どもの不安に、私は無茶苦茶、影響されて、感情が振り回されちゃいます^^;(そんなものよね)。
どうやって家族の不安に向き合えばいいの?
じゃあ、どうすればいいのか?という問題について、著者はいくつかの方法を説明してくれます。
- 相手の不安に巻き込まれない
- 正論で説得しようとするのをやめる
- 共感的な「聞き返し」をする
- 聞きたい話に注目し、ネガティブな話をスルーしてよい 等
家族が不安だ不安だと言っていても、同じ土俵に立ってあたふたしないことが大事なのかなぁと思いました(それができれば苦労しないんだが…)。
大事なことは、本人であっても家族であっても、不安をそのままにしておくことです。
(中略)
不安にとらわれて苦しんでいる相手を適当にあしらうというのは、冷たい対応のように感じるかもしれません。しかし、相手の不安に巻き込まれてしまうと、家族も本人と一緒に不安に振り回されることになってしまいます。
そのためにはどうしたらいいのかという話で、私が試してみようかなと思った方法が「共感的な聞き返し」と「ネガティブな話をスルー」というものです。
共感的な聞き返し
例として、高齢の母が「あなたに迷惑をかけたくないけど、心配でたまらなくて…」と不安を訴えた来た際に、「そんな心配なことなんてないよ」「またそんな話をして…」「なんともないって!」などと正論で返しても、本人には伝わらない。
例:「お母さんは私に迷惑をかけたくないけど、心配でたまらないんだよね…」
おうむ返しにするだけでも共感的な返しになります。更に、本人の気持ちを推測して、聞き返してみるとよいとのこと。
例:「お母さんは自分が娘の足を引っ張っていることに気づいていて、本当はもっと娘の話を聞いてあげたいと思っているんだね」
他にも「こんなに苦しいのなら早く死にたい」→「死にたくなるくらいつらいんだね」、「私は今すぐ〇〇しないと」→「誰かにこのつらさをわかってもらいたいんだね」等のように、相手の言葉の裏にある気持ちを推測して聞き返してみると、本人も素直に受け入れられるかもしれません。
ネガティブな話をスルー
この相手のネガティブな話をスルーという方法がかなり参考になりました。というのも、息子はいつもいつもネガティブなことばかり言い続けるところがあり、それに対してイライラしてしまうことが多かったからです。「そんなこと言い続けてもどうしようもないじゃない」と反論してしまうと、息子は「僕のこと、わかってくれない!!!」と癇癪を起すきっかけになったり(とほほ…)。
同じ話ばかりがくり返されるときの対応のコツは、感謝の言葉など少しでもプラスの部分があれば、そこを選択的に注目して聞き、ネガティブな話には反応せずにスルーしてしまうことです。
例として、また高齢母と娘のやりとりがあがっていました。
母「あなたは私を置いて出かけるわけ? 私は今日も腰が痛いんだけど」
娘「私が出かける支度をしているのに気づいてくれたんだね。これから買い物に行くんだけど、一緒に行く?」
腰が痛い、私を置いていくのかというネガティブな部分はスルーして、〇〇に気づいてくれたんだねとプラスの部分に注目して返答しています。他にも「今日は買い物に行ったら、レジの人が感じ悪くて」という話になったら、「今日、買い物に行ったんだ。調子悪くてもちゃんと外出したんだね」と返すという例もありました。
この方法は息子にも使えそう!と思いました。
まず、自分が幸せになる
さて、この本の最終章の見出しが「まず、自分が幸せになる」でした。
世話をしたり、気にかけないとと思っている相手がいると、いつの間にか自分のことは後回しになってしまうことが多いですが、まずは自分が…という気持ちで、日々のちょっとしたことでも幸せになるように過ごしたいですね。
大切な人を幸せにするには、自分自身が幸せになることが大切です。幸せな体験をした人が実在することは、暗闇にいる人に希望の光を与えます。
(…むっちゃ長い文章になっちゃった。うまくまとめられるよう精進したい^^;)。