ちょっぺこ日記

日々雑感や本の感想、息子の不登校のこと、自分の病気のこと(癌やパニック障害とか)等をつぶやいています。

息子、適応指導教室でかたまる。

新学期が始まっても学校に行けない息子。

正確には初日とその次の日、1時間だけ学校に登校した。けれども、やっぱり辛かったのか疲れてしまったのか、そこからはもう学校には行けていない。

先週末、児童精神科の受診日だった。近況を報告。息子は、学校は辛い、でも家で一人でいても辛いという。どこにも心が休まる場所なんかない、と。

先生は、安全で安心できる居場所を自分で見つけていくしかないんだよとおっしゃる。学校も家も難しいならば、適応指導教室に行ってみるのはどうかな?と。

(息子が適応指導教室は嫌じゃない、と話したから、そういう流れになった)。

 

そして、昨日、適応指導教室に行ってみた。午後のおやつ作りだけなら参加できるかな?

一緒に玄関に入ったが、息子は緊張しているのか能面のような表情。表情がこわばっている。いつも明るく優しく接してくれる先生が、優しく「久しぶりだね」と声をかけてくれたけれども、息子の表情は硬いままだった。

それでも、お母さんと一緒なら中に入れるかな?という声掛けに重い足取りのまま、教室の中に入る。私も一緒に。

他の子どもたち(6,7人はいたかな)がワイワイ騒いでいる。小学2年生くらいの子から中学3年生のお兄さん、お姉さんまで。今日のおやつ作りのためにエプロンをつけて、楽しそうに話している。

息子は自分の机のたどり着いたが、何も話さない。私や先生がエプロンつけてみようかと促すと、リュックの中からエプロンを取り出し、「あれ、どうやって着るんだっけ?」と少しだけ小さな声で言いながらエプロンを身に着ける。

でも、そこから動くことができなくなった。時間になり、他の子どもたちは調理室へ移動していくのだけど、息子は一歩も動けなかった。すがるように私の方を見る。その目は今にも泣きだしそうだった。

「行くの辛い? 無理しなくていいんだよ。今日は帰ろうか?」

と尋ねると、こくんと頷いた。

「申し訳ないのですが、今日はこのまま帰ります」と先生に伝えると、先生も「そうだね。今日は帰ろうか」と優しく言ってくださった。

 

このまま今日は帰ろう…と玄関に向かいながら、息子も辛いのだろうが、私自身も気持ちもちょっと辛かった。この子はここにもいることができないのか、こんな感じでこれからどうなってしまうのだろうという不安に押し潰されそうだった。

仕事を調整して1週間に1日だけ休んで、午前はスクールカウンセリング、午後は適応指導教室の付き添い……今の私にできることをやっているけれども、何も良くならない、どうしたらいいの…という焦りや不安に胸の奥が苦しくなった。私も泣きそうだった……そのとき。

 

「〇〇くん、もしよかったら、あっちのお部屋で先生と工作してみない?」

 別の先生が声をかけてくれた。

 他の子どもたちがおやつ作りをする間、別室で息子だけ工作を作らないか、と。

「こないだ、こういうの作ったんだよ」

 毛糸で作った作品(雪の結晶?)を見せてくれた。息子は乗り気ではないようだったが、別室でひとり静かに工作できるのなら(お母さんも一緒なら)…という感じで、こくんと小さく頷いた。

 

 先生と息子と私。

 3人で工作することになった。先生がこうやってやるんだよと教えてくれる。3本の桜の枝を組んで、毛糸を巻き付けていくというものだった。

 息子は難しいなぁと言いながらも作業を進めていく。そうしていく中で緊張が解けたのか、さっきとは打って変わって先生と冗長におしゃべりしていた。家で飼っている金魚の話、海に釣りに行った話、たわいない話を先生に話していた。

 

 工作が終わった後、少しだけみんながいる調理室を覗いて、やっぱり他の子どもがいると少し緊張して固まってしまったので、帰ることにした。

 

 先は長い……ように私には思えるのだけど、一歩一歩、進んでいければいいのかなぁ。三歩歩いて二歩下がる。

 

(↓これは私が作った作品。息子の作品は適応指導教室の玄関に飾るそうです)。

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